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リスキリングに向いているタイプ①

 世界史を少々紐解くと、狩猟型と農耕型の民族・国民がいることがわかる。日本史においても、縄文人と彌生人とに、括れる。こうした、区分を、人間一個人に当てはめた時、それと同じようなことが言えるのではないかと、私個人、自身の経験則に照らし合わせて、確信してきたことをこれから述べてみたい。それは、血液型分類と同じではないかと、ご批判を覚悟で語ってみたい。「B型人間は、プロ野球で名選手が多い」(野村克也)といった事実と同様に考えていただければ幸いである。
 
※B型:金田正一(400勝投手)、長嶋茂雄(ユニホームを着たターザン)、野村克也(ID野球)、野茂英雄(トルネード投法)、イチロー(振り子打法)、大谷翔平(二刀流)など
 
 これは、私自身の2年足らずのサラリーマン生活で実感したことである。
 
 世には、毎朝6時に起床し、満員電車に乗り、会社のオフィスで昼間の大半を過ごし、給与とボーナスをもらい、週末土日や祝日は、自身の趣味や家族サービスに費やすことを、自然と、また、当たり前とも思う人種(通勤族)がいることである。また、ローンでモノを買う、30年ローンでマンションや一戸建てを購入する、そうした行為を、何とも思わない、そうした部族(ローン族)と大まかかぶってもくる。これは、年功序列・終身雇用など、親の世代の、勤め人の、そうした後ろ姿を、それが当たり前として、見て、育った環境が、大きく影響してもいると言える。また、彼らは、中高でスポーツ系の部活で活躍された方が多いように思われる。集団生活で、ある目標に向かって努力することを、自然と、当然と思っている部族である。だから、大学でも体育会系のラガーマンなどは、大手有名企業に引っ張りだこなのである。
 
 一方で、毎朝3時、4時に起き、住い(自宅)の二階から降りてきて、一回の厨房やプチ工場で、一日の仕込みを、もくもくとする人々がいる。飲食店の店主、パン工房のおやじ、パティシエ、そして、寿司職人などである。彼らは、一般に、土日祝日は、かき入れ時のため、まず休まない、休めない。繁忙期であるからだ。世のサラリーマンが忙しい、ウィークデイの月や水あたりを休日としている。しかも、週休1日のことがおおい。自営業は、週休二日は、あまり聞き覚えがない。そうした、職人たちの親の背中を観ていながら、その子は、大学進学をして、サラリーマンを目指すことになる。他人の芝生(サラリーマン生活)はよく見える、ではないが、よその親(勤め人)はよく見えるものである。彼ら(個人事業主)は、一般的に、ローンというものを嫌う性質がある。「金がないのに、よくあんな高価な車が買えるな!」である。それだけの金を持たなければ、モノなんぞはまず購入しない、それが、個人商店主、あるいは、自営業者のモットーでもあった、いや、そうでもあろう(?)。まず、借金=ローンを毛嫌いする気質が、骨の髄まで沁みついているのは、私の祖父(和菓子職人)や父(パン・ケーキ職人)を眺めても当てはまる、現実的気質でもある。
 
 まず、サラリーマンとは、人生の半分近い時間を会社に売って、猫の額ほどの狭小住宅を買うために、自由を犠牲にする部族といってもいい。恐らく、彼らは、自由を犠牲にしているなどとは実感してもいないことであろう。そう感じた者は、退社するはずである。いや、そう感じても、会社にしがみつかなければ生きてはいけない人種に限り、「ワークライフバランスだ!」と口にする。そうしたことも引きがねになって、私なんぞは、さっさと、大手企業に見切りをつけたタイプでもある。
 
 個人商店主、また、パン・ケーキ職人など、寿司職人もそうだが、もちろん、修行の身の上では、自由がない。あの三国清三などは、鍋洗いで何年もの下積み生活があったともいう。一方、ホリエモンなんぞは、寿司職人になるには、何年もの修行など要らない、寿司学校に半年通えば、立派な寿司職人になれると言い放つ。ホリエモンの主張は、三国の人生とは、水と油の関係を暗示する。料理人としての素質があれば、三ツ星レストランへの道も、困苦の修行と連綿性がある。高卒で、寿司学校のルートでは、せいぜい、一つ星の寿司屋が限界ではないかと思う。それは、エコーデボザールを出ても、後世の名画を描けなかった画家が多数いるのに対して、そんなエリート教育なんぞ、受けなくても、印象派の巨匠となった画家がどれほどいるかは、料理人の世界でも同様のことが言えそうである。つまり、料理の東大と言われる辻料理専門学校を出たものが、どれほどの、料理界の巨匠となっているかを想像してほしい。
 
 話は、逸れたが、このサラリーマン型の資質と職人型の資質、極端な例だが、Aタイプ即ち、年収1500万で、週休1日を選ぶ人か、Bタイプ、即ち、年収500万で、週休3日を選ぶ人か、この職業進路、仕事のルートの選択肢に、その人の気質がもろに顕れるというものである。これにも、4通りのタイプがあると言える。
 趣味がなければ、Aタイプは苦も無く仕事ができる人であろう(!?)趣味があれば、Bタイプは人生が謳歌できる人であろうか(!?)趣味があれば、Aタイプは地獄、趣味がなければBタイプは退屈、そうもなるやもしれぬ人ではと、自身が自問する必要はある。しかし、趣味と仕事が一致する人が、収入の多寡にかかわらず、人生は充実しているものである。リスキリングという、キャリア上の転換点は、こうした4通りの中で判断し、するかしないか、それを、自身で決断しなくてはならない。
 根っからのサラリーマン気質の者が、どうも、リスキリングという、令和の学び直しに適してもいる資質のような気がする。

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